N2Bによる動態評価
N2Bデリバリーの代表的な経路として,図1に示す経路が報告されています.しかし、経鼻投与には,①粘液繊毛クリアランスによる排出,②投与実施者による経鼻投与法の手技的差異という問題点が存在するため,経鼻投与した薬物の動態を定量的に評価した報告が非常に少ないのが現状です.そこで,当研究室では,図2に示した再現性の高い経鼻投与方法を用いて,薬物の中枢における分布評価に関する基盤技術の構築に取り組んでいます.
図1 N2Bデリバリーにおける投与経路
図2 当研究で開発した食道逆挿管鼻腔内投与法(左)および吸入麻酔用マスク(右)を用いた経鼻投与方法
Journal of Controlled Release, 332 (10), 493-501 (2021)
N2Bによる薬効評価
中枢疾患モデルマウスに対する薬物や医薬品候補化合物の経鼻投与後における治療効果について検討しています.
①中大脳動脈閉塞障害(MCAO)モデルマウス用いた薬効評価
②筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウス用いた治療効果
治療薬物を脳や脊髄へ効率的に送達可能なナノ粒子の開発とALSの発症過程における神経炎症を標的とした治療戦略の検証を行っています.